Autumn/Winter 2024
Virtual Light
ENCOMING として、衣服の視覚的要素と直感的な要素を追求してきた。 製品としての加工や生地や糸の組み合わせ。少しだけでも変化を加えると” 少しの違和感” を覚えることが度々ある。その少しの違和感は” ENCOMING” が提案する直感的要素である。 制作を追求していくうちに、” 美” となる要素にも違和感を覚え本シーズンを通して、追求してみようと思った。彼らの作品は自分がロンドンにいた時に強く惹かれ、度々ギャラリーに作品を見に行っていた。Tate Modern やTate Britain には彼らの作品が展示されていた。 デカデカと広いキャンバスに塗りたくられた色彩をただただ眺めに。
Spring/Summer 2024
Grace Note
小さな違和感を拾い集めた先に生まれる美しさ。揺らぎ続ける美意識に対する探究心。ENCOMING SS24は、1950年代のイタリアのアートクラフトムーブメント、Forme Nouve in Italiaを着想源にその中心で活躍した作家の作品と思想を紐解きながら現代の衣服として解釈します。
Forme Nouve in Italiaは、直訳すると「イタリアの造形」となるように、ミッドセンチュリーにおけるイタリアのガラスやセラミック作品などの工芸品を総称する言葉です。今日、それらの作品は“ムーブメント”という言葉で一括りに語られる一方で、フラヴィオ・ポーリやフルヴィオ・ビアンコーニ、ルーチョ・フォンタナなど、唯一無二の個性をもった作家が多く活躍した時代でもあります。彼らの法的式からは決して生まれることのない予測不可能な表現を追及した作品の数々は、現代のものづくりにおいても強烈なインパクトを残します。
例えば、ファウスト・メロッティの作品に見られるガラスの製造工程で生まれる不純物や化学反応的に発生する無作為な色彩をはじめとする大胆な色使い。ヴィニチオ・ヴィアンネッロの吹きガラスを用いた突飛な造形のグラス作品。それらのどこか奇妙で枠組みにとらわれない表現は、ブランド設立から掲げるコンセプト“Something Wierd”と共鳴し、作品や造形だけに留まらず、彼らの思想をも反映したコレクションが生まれました。