Autumn/Winter 2023

Avantegarde Poem

アヴァンギャルドという言葉から何を連想するだろうか。 奇妙、革新的、実験的…。その解釈はさまざまで、そういった言葉だけが一人歩きしているように感じる。 ルーチョ・フォンタナは、多くの場合、前衛芸術家としてカテゴライズされるが、彼の活動や作品は、前述したような単語では到底言い表せない。フォンタナは、キャンバスを切り裂き、異素材を変幻自在に組み合わせ、空間や時間を超越しながら新しい芸術表現を追い求めた。芸術や社会に問題を投げかける先駆的な表現と芸術性の高い詩情的な表現、対照的なふたつが自然と同居する作品群は、当時の前衛芸術家のそれとは一線を画していた。 土、キャンバス、セラミック、さらには空間まで…。フォンタナはそれらの‘素材’を前にして何を考え、どんな思いで制作を続けたのだろうか。まずは、フォンタナが作品に取り入れた多様な素材を衣服における糸やテキスタイル、色彩、シルエットに置き換え、まっさらな状態から思考を巡らせることにした。フォンタナがキャンバスという土台に斬新な視点から向 き合い、芸術に新しい価値観を生み出したように。

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Spring/Summer 2024

Grace Note

小さな違和感を拾い集めた先に生まれる美しさ。揺らぎ続ける美意識に対する探究心。ENCOMING SS24は、1950年代のイタリアのアートクラフトムーブメント、Forme Nouve in Italiaを着想源にその中心で活躍した作家の作品と思想を紐解きながら現代の衣服として解釈します。 Forme Nouve in Italiaは、直訳すると「イタリアの造形」となるように、ミッドセンチュリーにおけるイタリアのガラスやセラミック作品などの工芸品を総称する言葉です。今日、それらの作品は“ムーブメント”という言葉で一括りに語られる一方で、フラヴィオ・ポーリやフルヴィオ・ビアンコーニ、ルーチョ・フォンタナなど、唯一無二の個性をもった作家が多く活躍した時代でもあります。彼らの法的式からは決して生まれることのない予測不可能な表現を追及した作品の数々は、現代のものづくりにおいても強烈なインパクトを残します。 例えば、ファウスト・メロッティの作品に見られるガラスの製造工程で生まれる不純物や化学反応的に発生する無作為な色彩をはじめとする大胆な色使い。ヴィニチオ・ヴィアンネッロの吹きガラスを用いた突飛な造形のグラス作品。それらのどこか奇妙で枠組みにとらわれない表現は、ブランド設立から掲げるコンセプト“Something Wierd”と共鳴し、作品や造形だけに留まらず、彼らの思想をも反映したコレクションが生まれました。

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