Spring/Summer 2026
Countours Reimagined
2026 年春夏コレクションでは、日本美術と文化が西洋に与えた影響を再検証し、「Contours Reimagined(輪郭の再解釈)」をテーマに、新たな洋服のかたちを模索します。 19 世紀後半、西洋の芸術家たちは、葛飾北斎や歌川広重といった浮世絵師の作品に出会い、その非対称な構図や大胆な視点、鮮やかな色彩から大きな刺激を受けました。印象派のモネやドガ、ゴッホなどがその影響を自身の作品に反映させたことは、「ジャポニズム」として美術史に大きな足跡を残しています。 一方で、日本では黒田清輝が西洋で印象派を学び、日本の風土や感性と融合させた表現を生み出しました。彼の作品もまた、西洋と日本の美術の“輪郭” を結び直す存在であったと言えるでしょう。ENCOMING は、そうした歴史的な文化の交差点に着目し、欧米のクラシックなメンズウェアをベースに、日本独自の美意識や素材表現を重ねることで、洋服に新たな“輪郭” を描き出そうとしています。今季は、英国での服作りの経験を背景に、改めて日本的なオーセンティシティ(本質・伝統)に立ち返りながら、異文化の影響を 受けて変化していく表現の可能性にフォーカス。素材、縫製、シルエット、加工に至るまで、独自の視点で再構築を行いました。 ENCOMING が描く「輪郭」とは、文化やスタイルの境界線を曖昧にしながらも、 確かな伝統を感じさせる、新しいクラシックの提案です。
Project03
Woven Symbols
ENCOMING が不定期に発表する “PROJECT” は、 インディペンデントな作家やアーティストにスポットを当て、実験的なアプローチによってプロダクトを共創する試みです。 PROJECT 03 “Woven Symbols”今回の PROJECT 03 では、東京を拠点に活動するテキスタイルデザイナー Enzo Ebihara 氏を迎えました。ENCOMING のブランドフィロソフィーである「テキスタイルの奥行きや違和感」を再解釈し、過去に ENCOMING が制作してきた異なるオリジナルテキスタイルを細やかに裁断。 そこに多様な技法を組み合わせることで、ひとつのアイコニックなテキスタイルへと再構築しました。Enzo 氏の手によって、一つひとつ丹念かつ大胆に織り上げられた大判のラグやテーブルランナー。それらは、作家の手仕事と素材そのものの記憶が重なり合う、唯一無二の作品群となっています。本プロジェクトでは、20 世紀初頭に活躍した抽象画家 Mark Rothko や Barnett Newman からインスピレーションを得ています。 彼らが追求した、形を極限まで抽象化した“記号” のような世界観を、ペインティングとは異なる“weaving=織り” の技法によって可視化。織りの過程で生まれる偶発性そのものを楽しむという視点から生まれた、新たな解釈の余白を生み出しています。